UZU ROASTER コマンドリファレンスガイド

コマンド一覧表

Version 1.3.3

📘 はじめに

このコマンド一覧表は、UZU ROASTERを操作する際に使用できるコマンドをまとめたものです。コマンドは、USBシリアル通信またはWeb画面(WebSerial)から送信することができます。

※ コマンドを入力する際は、半角英数字で正確に入力してください。大文字・小文字は区別されます。 ※ 今後のファームウェアアップデートでコマンドが追加・変更される可能性があります。最新のコマンドは "help" コマンドで確認してください。 ※ これらのコマンドはコーヒー焙煎・ミル挽き・抽出コントロールシステムであるUZCP 1.0(Universal Zeta Coffee Protocol)に一部準拠しています。

🔧 基本操作コマンド

コマンド 使用例 説明
help help 使用可能なコマンドの一覧を表示します。困ったときはこのコマンドで確認できます。
start start 温度測定を開始します。USBシリアル経由で経過時間と温度データ(JSON形式)の出力が始まります。
stop stop 温度測定を停止します。USBシリアル経由で経過時間と温度データ(JSON形式)の出力が止まります。
status
status -h
status
status -h
UZU ROASTERの内部状態を表示します。Wi-Fi・温度・LED・ボタンなど主要な設定と現在値を一覧表示します。
status -hではCPU・メモリ・Flash・FreeRTOSタスクなどハードウェアの詳細情報を表示します。

🔄 リセット・初期化・システムコマンド

コマンド 使用例 説明
reset reset UZU ROASTERを再起動します。設定は保持されます。
reset all reset all すべての設定を工場出荷時の状態に戻し、再起動します。Wi-Fi設定などもすべて消去されます。
lowenergy lowenergy on
lowenergy off
低消費電力モードを有効にします。このモードでは、CPUの動作周波数を落としたりWi-Fiの出力を抑制して 消費電力を抑えることができます。

📡 Wi-Fi設定コマンド

コマンド 使用例 説明
wifi <on/off> wifi on
wifi off
Wi-Fi機能のオン・オフを切り替えます。
ssid
ssid <text>
ssid
ssid MyCoffee
ssid MyCoffee -r
APモード時(アドホック接続時)、引数(大文字/小文字/記号/絵文字/各種言語可能)を付けると、Wi-FiのSSID(ネットワーク名)を変更します。引数なしで実行すると、現在のSSIDを表示します。 末尾に -r を付けると設定後に再起動します。
password
password <text>
password
password 12345678
password 12345678 -r
APモード時(アドホック接続時)、引数(大文字/小文字/記号)を付けると、Wi-Fiのパスワードを変更します。引数なしで実行すると、パスワードを無効化します。 末尾に -r を付けると設定後に再起動します。パスワードは8文字以上必要です。(パスワードを8文字未満で登録した場合の動作は保証されません)
ip <address> ip 192.168.0.100 APモード時(アドホック接続時)の固定IPアドレスを設定します。デフォルトは192.168.4.1です。引数なしで実行すると、現在のIPアドレスを表示します。
staip staip STAモード(ルーター接続)時のIPアドレスを表示します。ルーター経由でUZU ROASTERにアクセスしたい場合に確認してください。
stassid <text>
stassidclear
stassid MyRouter
stassid MyRouter -r
stassidclear
接続先のルーターSSIDを設定します。設定するとUZU ROASTERがルーターに接続されます(AP+STAモード)。 末尾に -r を付けると設定後に再起動します。 stassidclearで設定をクリアします。
stapassword
stapassword <text>
stapassword
stapassword 12345678
stapassword 12345678 -r
接続先ルーターのパスワードを設定します。引数なしで実行すると、パスワードを無効化します。末尾に -r を付けると設定後に再起動します。
wifiscan wifiscan 周辺のWi-Fiネットワークをスキャンします。
wifiscanでスキャンを開始し、SSIDと電波強度(dBm)が表示されます。数値が大きいほど電波が強くなります。
例:0: MyRouter (-45dBm) ← 電波強い / 1: Neighbor (-85dBm) ← 電波弱い
wifimode <ap/sta> wifimode ap
wifimode sta
Wi-Fiの動作モードを切り替えて再起動します。
wifimode ap:APモード(アドホック接続)に切り替えます。スマホやPCから直接UZU ROASTERのWi-Fiに接続する通常の使い方です。
wifimode sta:STAモード(ルーター接続)に切り替えます。家庭のルーター経由でUZU ROASTERにアクセスしたい場合に使用します。事前にstassidstapasswordの設定が必要です。
⚠️ モード切り替え後は再起動が行われます。STAモード時のIPアドレスはstaipコマンド、またはLED表示(ipled)で確認してください。
maxwifi <number> maxwifi 1
maxwifi 4
APモード時に同時接続できるWi-Fiクライアントの最大数を設定します。デフォルトは1です。
複数のデバイスから同時にアクセスしたい場合に増やしてください。設定後は再起動が必要です。
⚠️ 接続数を増やすとESP32のメモリ消費が増加したり、安定性が低下する可能性があります。自己責任でご使用ください。
wifilog <on/off> wifilog on
wifilog off
ESP32内部のWi-Fiシステムログの表示を切り替えます。デフォルトはoffです。
Wi-Fi接続のトラブルシューティング時にonにすると詳細なログが確認できます。通常使用時はoffを推奨します。

🌡️ 温度測定設定コマンド

コマンド 使用例 説明
temp <on/off> temp on
temp off
USBシリアル経由での温度データ出力のオン・オフを切り替えます。Artisan連携時に使用します。
interval <number> interval 1000
interval 500
温度データの更新間隔をミリ秒単位で設定します。1000=1秒です。最小200msまで設定可能です。
digit <number> digit 1
digit 2
温度表示の小数点以下の桁数を設定します。0~2の範囲で設定できます。
prefix <text> prefix TEMP: USBシリアル出力時の温度データの前に付ける文字列を設定します。
suffix <text> suffix °C USBシリアル出力時の温度データの後ろに付ける文字列を設定します。
tgain <number> tgain 1.0083
tgain reset
y = ax + b で表される1次関数の温度補正の傾き(Gain/a)を設定します。デフォルト値は1.0000です。
0.1~10.0の範囲で0.0001単位で調整可能です。
引数を省略すると現在の値を表示します。
引数にresetを指定するとデフォルト値(1.0000)に戻ります。
toffset <number> toffset -1.5
tgain reset
y = ax + b で表される1次関数の温度補正の切片(Offset/b)を差分で設定します。デフォルト値は0.0です。
現在の表示温度を2度下げたい場合は「-2.0」と入力します。
引数を省略すると現在の値を表示します。
引数にresetを指定するとデフォルト値(0.0)に戻ります。
tcalc <t1> <T1> <t2> <T2> tcalc 20.3 21.8 100.0 98.8
tcalc 25.3 25.0
低温側と高温側の実測値(表示温度)と理論値(外部温度計等による正確な温度)の温度データを入力することで、1次関数の補正係数を一括更新します。
引数の数によって、温度補正係数を自動算出し、 (Gain/a)(Offset/b) を更新します。

※注意: 実行前に tgain 1.0, toffset 0.0 でリセットし、実測値は補正なしの「生の温度」を入力してください。

・引数4つの場合(フル校正):
tcalc [理論値1(t1)] [実測値1(T1)] [理論値2(t2)] [実測値2(T2)]
2点の温度データから 1次関数 (y = ax + b) を解き、傾きと切片を同時に設定します。全領域のズレを修正します。

・引数2つの場合(オフセット調整):
tcalc [理論値1(t1)] [実測値1(T1)]
現在の tgain (傾き) を維持したまま、指定した1点において理論値と一致するように toffset (切片) のみを再計算します。

【簡易オフセット設定例】沸騰水を参照してズレを確認する場合
tcalc 100.0 102.5
1atm(標準気圧)で沸騰水100度のはずが102.5度と表示されている場合、これで簡易的にオフセットを修正できます。

📊 データ出力・シミュレーションコマンド

コマンド 使用例 説明
usbserial <on/off> usbserial on
usbserial off
JSON形式(時刻と温度)でのUSBシリアル出力を開始・停止します。この設定は再起動後に保持されません。
simulate <on/off> simulate on
simulate off
シミュレーションモードのオン・オフを切り替えます。オンにすると、ダミーの温度データが生成されます。テスト用です。
echo <message> echo Hello 指定したメッセージをUSBシリアルに出力します。接続テスト用です。
echon <number> echon 123 指定した数値をUSBシリアルに出力します。接続テスト用です。

📁 ファイルシステム操作コマンド(上級者向け)

コマンド 使用例 説明
ls ls LittleFSファイルシステム内のファイルとディレクトリの一覧を表示します。
cat <file> cat /index.html 指定したファイルの内容を表示します。
rm <file> rm /oldfile.txt 指定したファイルを削除します。削除したファイルは復元できませんのでご注意ください。
format format LittleFSファイルシステムをフォーマットします。ファイルはすべて削除されますのでご注意ください。

🔘 ボタン・LED設定コマンド

コマンド 使用例 説明
bpress <command> bpress start
bpress templed on#templed off
OPTIONボタンを短押ししたときに実行するコマンドを登録します。
【ローテーション機能】
コマンドを「#」で繋ぐことで、最大5個まで登録可能です。ボタンを押すごとに登録した順にコマンドが実行され、最後まで行くと最初に戻ります。
例:bpress cmd1#cmd2#cmd3(1回目でcmd1、2回目でcmd2...)
blpress <command> blpress stop
blpress start#stop#echo hello
OPTIONボタンを長押し(3秒以上)したときに実行するコマンドを登録します。
短押し同様、「#」を使って最大5個までのコマンドを順番に実行するローテーション設定が可能です
morsemode <on/off> morsemode on
morsemode off
モールス信号モードを有効または無効にします。
有効時は、オプションボタンでモールス信号を入力する事ことで文字を入力し、コマンドを実行します。
モールス信号モード時は、コマンドの応答がモールス信号形式でステータスLEDに出力されます。(このモードでもシリアルモニターからのコマンドが入力可能で、レスポンスも出力されます)
既存の templedipled と同様に排他動作であり、モールス信号モード時は通常のLED表示は一時的に制御されません。
templed <on/off> templed on
templed off
ステータスLEDを使って現在の温度を点滅パターンで表現するモードに移行します。100の位、10の位、1の位の順に点滅します。 ipledとは排他動作です。( ipledはオフになります)
ipled <sta/ap/off> ipled sta
ipled ap
ipled off
ステータスLEDを使って、現在のIPアドレスを点滅パターンで表示します。
staを指定するとSTAモードでルーターから割り当てられたIPを、apを指定するとAPモードのIP(デフォルト:192.168.4.1)を表示します。
4つのオクテット(xxx.xxx.xxx.xxx)を順番に点滅し、オクテット間は長い休止で区切られます。
templedとは排他動作です。( templedはオフになります)

💡 LED点滅パターン(共通)

  • 短い点滅(120ms) = 1
  • 中くらいの点滅(400ms) = 5
  • 長い点滅(800ms) = 0
【templed】例: 128度の場合
→ 短い点滅1回(1)→ 桁間インターバル(500ms)→ 短い点滅2回(2)→ 桁間インターバル(500ms)→ 中点滅1回+短点滅3回(5+3=8)
→ 温度間インターバル(1200ms)→ 繰り返し ※ 99以下でも100の位が0として点滅し、必ず3桁表示されます ※ 桁の輝度で位を識別:100の位=明るい / 10の位=中 / 1の位=暗い
【ipled】例: IPアドレス 192.168.1.103 の場合
→ 短い点滅1回 → 短い区切り → 中くらいの点滅1回+短い点滅4回 → 短い区切り → 短い点滅2回(192) → 長い区切り
→ 短い点滅1回 → 短い区切り → 中くらいの点滅1回+短い点滅1回 → 短い区切り → 中くらいの点滅1回+短い点滅3回(168) → 長い区切り
→ 長い点滅1回 → 短い区切り → 長い点滅1回 → 短い区切り → 短い点滅1回(001)→ 長い区切り
→ 短い点滅1回 → 短い区切り → 長い点滅1回 → 短い区切り → 短い点滅3回(103)
→ 3秒休止 → 繰り返し

💡 モールス信号入力仕様

  • 短押し = 1点(.、約200ms)
  • 長押し = 1ダッシュ(-、約600ms)
  • 信号間の休止 = 約200ms
  • 文字間の休止 <  約600ms
  • コマンドキャンセル >  1400ms
  • コマンド確定 = 1200ms(ボタン長押しが1200msを超えると送信対象として確定)
【対応文字】 a〜z、0〜9、記号 . , - # を入力できます。
例:a = .- / s = ... / z = --.. / 5 = ..... / . = .-.-.-
大文字・小文字はどちらでも同じように扱われ、入力中に未定義の記号は無視されます。
※ 短押しが200ms未満の連続入力は、1点として認識されます。
※ 文字が確定するまでは、無音時間(200ms~600ms)が必要です。 ※ 長押し中でも、1200ms経過時点でコマンドは確定し送信されます。
※ スペースの入力は無入力期間(600ms~1400ms)経過で確定します。1400ms以上の無入力期間が続くと、コマンドはキャンセルされます。

🅰️ Artisanコマンド

コマンド 使用例 説明
get_data / getData get_data
getData
WebSocketへ現在の温度データをUZCPプロトコルで返却します。
READ READ Arduino TC4用の温度データを返却します。雰囲気温度、予備データは0.00固定です。
環境温度,豆温度,排気温度,予備データ
例: 0.00,148.3,160.2,0.00

💡 補足説明

📝 コマンドの入力方法

  • USBシリアル通信: PCとUZU ROASTERをUSBケーブルで接続し、シリアルモニター(Arduino IDEやTeraTermなど)からコマンドを送信します。
  • WebSocket: うずロースターコントローラーの設定画面(デバッグ画面)から、Wi-Fi経由でコマンドを送信します。

💾 設定の保存について

  • ほとんどの設定は、UZU ROASTERの内部メモリに保存され、電源を切っても保持されます。
  • ただし、usbserialコマンドの設定だけは再起動後に保持されません。

🔧 トラブルシューティング

  • コマンドが反応しない場合は、USBケーブルの接続を確認してください。
  • Wi-Fi設定を変更した後は、念のためUZU ROASTERをリセットしてください。(wifimodeのように自動的にリセットするコマンドもあります)
  • すべての設定を初期化したい場合は「reset all」コマンドを使用してください。