UZU ROASTER(うずロースター)取扱説明書
📦 製品概要
UZU ROASTER(うずロースター)は、小型のコーヒー焙煎機や手鍋に接続し、**温度センサーのデータをリアルタイムで取得**するIoTデバイスです。取得したデータは、PCソフトの「Artisan」や、UZU ROASTER内蔵のWebページ(うずロースターコントローラー)上で表示され、焙煎を強力にアシストします。Wi-Fi接続に対応しており、PCやスマートフォンから焙煎状況の確認や各種設定変更が可能です。
🚀 準備と接続
-
K型熱電対の接続:
K型熱電対をUZU ROASTER本体の接続端子に接続してください。**プラス(+)とマイナス(−)を間違えないよう、特にご注意ください。** もし常温でマイナス付近の値が表示される場合、接続が逆になっている可能性があります。
- 接続可能な端子: オープンリード線(撚り線)、U字端子
- 接続不能な端子形状の場合: お手数ですが追加工して形状を合わせてください。
- 熱電対の設置: 熱電対は、焙煎対象となるロースターや鍋にしっかりと組み込んでください。
✨ UZU ROASTERの主な機能
UZU ROASTERはコーヒー焙煎をサポートする以下の3つの主要な機能を提供します。
- **Artisan連携(USBシリアル):** PCに温度情報を転送し、高機能な焙煎ソフトウェアArtisanで詳細な焙煎プロファイルを管理・表示可能です。
- **うずロースターコントローラー(Webアプリ):** UZU ROASTER本体に内蔵されたWebサーバー機能により、PCやスマホのブラウザでリアルタイム温度やRoR(温度上昇速度)を表示し、焙煎をアシストします。
- **カスタムWebサーバー機能:** ユーザーが自由に作成したカスタムWebページを、UZU ROASTERのWi-Fiスポット経由で表示・利用可能です。
☕ Artisanと連携する(USB接続編)
このセクションでは、UZU ROASTER (ESP32) をPCにUSB接続し、Artisanの温度ロガーとして利用する手順を説明します。温度の表示・記録・プロファイルの作成など、焙煎ログ管理が飛躍的に快適になります。
🧰 必要なもの:
- UZU ROASTER本体(焙煎用温度センサーモジュール AX31855搭載)
- 焙煎用温度センサー K型熱電対
- PC(Windows/macOS/Linux)
- Artisan(最新版推奨) 👉 Artisan公式サイト
- USB Type-Cケーブル(UZU ROASTERとPCを接続するため)
🔌 1. UZU ROASTER側の仕様:
UZU ROASTER には、以下の機能が実装されています。
- USBシリアル通信で温度を定期的に出力する機能。
- **データ形式:**
25.3\n
のように、1行に1つの温度値(小数点以下1桁、改行付き)を送信します。
ヒント:
このデータ形式は、Web/USBシリアルコマンドにより柔軟に変更可能です。
💻 2. PC側の準備(USBシリアルドライバーのインストール):
UZU ROASTERをUSBでPCに接続するために、USBシリアルドライバーのインストールが必要です。
⚙️ 3. Artisanの設定手順:
- UZU ROASTERとPCをUSBケーブルで接続します。
- Artisanを起動します。(ArtisanはすでにPCにインストールされているものとします)
- Artisanのメニューから「設定」→「デバイス」を開きます。
【デバイス設定(主要設定)】
ET/BT
: メーター を選択
メーター
: Behmor BT/CT を選択
【シリアルポート構成】
ポート
: UZU ROASTERが接続されているCOMポートを指定します。
(例: Windowsなら COM3
、macOS/Linuxなら /dev/ttyUSB0
など)
通信速度
: 115200
(UZU ROASTER側と合わせてください)
データー長
: 8
パリティービット
: N
ストップビット
: 1
タイムアウト
: 0.7
上級者向けヒント:
Artisanの設定画面で、ET/BT
の設定を変更することで、異なる温度センサーのデータを扱うことも可能です。
【スクリプト設定(Serial Protocol)】
- Artisanのメニューで「構成(Config) → デバイス(Device)」を開き、「Prog」でカスタムスクリプトを設定することで任意のフォーマットの温度データが受信できるようになります。
詳しくは公式ドキュメントをご参照ください。
✅ 接続テスト&確認:
設定画面を閉じたら、Artisanの上部ツールバーにある【START】ボタンをクリックしてください。グラフに温度がリアルタイムで表示されます。
UZU ROASTERからは、デフォルトで温度データが約0.5秒(500ms)ごとにArtisanへ送信されます。Artisanのその他の設定も、必要に応じて調整してください。(Artisanではサンプリング周期は1秒以上が推奨されています)
🌡️ Artisanで温度が表示されない場合のチェックポイント:
チェック項目 |
対処法 |
COMポートが見つからない |
Windowsの場合はデバイスマネージャー、macOS/Linuxの場合はターミナルでCOMポート番号を再度確認してください。ドライバーのインストールが正しく完了しているかも確認しましょう。 |
温度が「nan」や0.0ばかり表示される |
K型熱電対の接続が抜けていないか、あるいは正しく接続されているか(+/−の向きなど)確認してください。熱電対やセンサー自体の故障も考えられます。 |
グラフの表示が止まっている |
Artisanの【START】ボタンを押し忘れていないか確認してください。 |
データが読み取れない・エラーになる |
UZU ROASTERからのデータ出力形式(特に改行\n の有無)がArtisanの設定(スクリプト)と一致しているか確認してください。 |
🌐 うずロースターコントローラー(Webアプリ)を使う(Wi-Fi接続編)
UZU ROASTERをUSB電源に接続すると、自動でWi-Fiアクセスポイントとして起動します。PCやスマホのブラウザから直接アクセスし、焙煎をコントロール可能です。
🔧 初期設定と接続:
-
起動とWi-Fi接続:
- UZU ROASTER本体をUSB電源(5V/500mA)に接続します。
- お使いのPCまたはスマートフォンのWi-Fi設定を開き、Wi-Fi接続先(SSID)として
UZU-ROASTER
を選択します。
- デフォルトのパスワードは
00000000
です。
(※)接続すると、Wi-Fiネットワークはインターネットに未接続の状態になりますが、UZU ROASTERとの通信には問題ありません。
-
うずロースターコントローラーへのアクセス:
- 通常、Wi-Fi接続後、キャプティブポータル機能により、自動的にデフォルトのブラウザにうずロースターコントローラーの画面が表示されます。
- もし自動で表示されない場合は、Chrome、Edgeなどの任意のブラウザで、以下のURLアドレスに直接アクセスしてください。
URLアドレス: http://192.168.4.1
-
WebSocket通信の開始:
ホストデバイス(PC/スマホ)とUZU ROASTERUZU ROASTERはWebSocket機能を使って接続されます。Webページを開くと、自動的にUZU ROASTER本体とのWebSocket通信が開始されます。接続状態は、画面上部の「接続中/未接続」のインジケーターで確認可能です。
(※)WiFiが正常に接続されていても接続状態にならない場合は、しばらく待ってから再度ページを更新するか、異なるブラウザで再度アクセスしてみてください。
🌐 うずロースターコントローラー(Webアプリ)の詳しい操作方法
「うずロースターコントローラー」は、コーヒー焙煎のプロファイル作成・編集・管理、そして実機連携による焙煎支援を行うWebアプリケーションです。リアルタイム温度表示、RoR(温度上昇速度)表示、プロファイルの保存・読み込み機能などを活用し、焙煎を成功に導きます。
1. Webアプリ概要:
UZU ROASTERのWebアプリは、リアルタイムで温度データを取得し、現在の温度とRoR(Rate of Rise)を画面に表示します。さらに、リアルタイムの温度変化をグラフで可視化するチャート機能のほか、目標となるコーヒー焙煎プロファイルを作成・読み込みし、そのプロファイルカーブに沿って焙煎温度をアシストする機能を提供します。
2. 基本画面と各エリアの説明:
- プロファイルテーブル:
時間(秒)と目標温度(℃)を入力し、オリジナルの焙煎プロファイルを作成可能です。行の追加・削除、各値の編集が可能です。
- グラフエリア:
目標となる「プロファイル温度」、現在の「リアルタイム温度」、そして「RoR(温度上昇速度)」がグラフで表示されます。グラフをクリックすると、全画面表示/解除を切り替えられます。
- 操作ボタン:
- スタート: チャートへの記録を開始します。
- ストップ: チャートへの記録を停止します。
- リセット: 現在のプロファイルやデバイスの状態を初期化します。
- 設定: デバッグコンソールの表示/非表示を切り替えます。
- マニュアル: UZU ROASTERのオンラインマニュアルを開きます。
3. 焙煎プロファイルの作成・編集:
- 行の追加: テーブル下部の「+」ボタンをクリックすると、新しい時間と温度の行が追加されます。
- 値の編集: 各行の「時間」と「温度」欄に数値を直接入力してください。入力値は自動的に0~1799秒、0~260℃の範囲に制限されます。
- 行の削除: 各行の右端にある「🗑」(ゴミ箱)ボタンで、不要な行を削除可能です。
- プロファイルの並び替え: 「プロファイル整列」ボタンをクリックすると、入力した時間が降順になるようにプロファイルが自動で整列され、チャートに反映されます。
4. プロファイルの保存・読み込み:
- プロファイルの保存: 「プロファイル保存」ボタンをクリックすると、現在作成中のプロファイルがJSONファイルとしてPCにダウンロードされます。
- プロファイルの読み込み: 「プロファイル読込」ボタンから、以前に保存したJSONファイルや、CSVファイル(EXCEL等で編集可能)、alogファイル(Artisan用ファイル)を選択してプロファイルを読み込めます。
- 焙煎データからプロファイル作成: 「焙煎データ⇒プロファイル」ボタンをクリックすると、直近の焙煎データをプロファイルとして取り込まれ、プロファイルのテーブル、チャートを更新します。
- プロファイルの比較: 「比較プロファイル表示」ボタンをクリックすると、現在表示されているプロファイルのチャートを比較用のチャートとして表示します。新たにプロファイルを読み込む事で2種類のプロファイルを重ねて表示可能です。
5. 焙煎開始・停止の操作:
- 焙煎を始める際に「スタート」ボタンを押すことで、温度データのチャート記録が開始されます。
- 焙煎が終了したら「ストップ」ボタンを押して、チャートへの記録を停止してください。
- 焙煎時間が30分(1799秒)を超えると、自動的にチャートへの記録は停止します。
6. リアルタイム表示と焙煎アシスト機能:
現在の温度とRoR、そして目標となるプロファイル温度とRoRがリアルタイムでグラフに表示されます。特に、プロファイル温度と現在温度の差(乖離)が小さくなるよう、矢印や方向表示で焙煎をアシストします。
-
プロファイル温度・現在温度の比較と焙煎インジケーター:
焙煎スタート後、グラフ上には目標となる「プロファイル温度」と、実際に測定されている「現在温度」が描画されます。この2つの温度の差(乖離)を瞬時に把握することで、現在の焙煎が目標プロファイルに対して「高いか低いか」を直感的に判断可能です。これらのアシスト機能により、初心者の方でも安定した焙煎を行うことが可能です。
-
RoR(温度上昇率)の可視化:
RoR(Rate of Rise、温度上昇率)は、1分あたりの温度変化量(℃/分)としてグラフに表示されます。
- プロファイルRoR(目標の上昇率)
- 現在RoR(実測の上昇率)
が異なる色で表示され、焙煎の進行状況やどの程度火力を調整すべきかの目安となります。
-
焙煎インジケーターによる操作ガイド:
チャート上に有効な焙煎プロファイルが表示されている場合、グラフ上の現在温度地点には「焙煎インジケーター」が表示されます。このインジケーターの矢印は、現在温度が目標より高い場合は下向き、低い場合は上向きに表示されます。さらに、RoRの差や温度変化の加速度も考慮して矢印の角度が変化するため、より細やかな調整ガイドを提供します。
- 矢印が上向き: 火力を上げる、または温度上昇を促す必要があることを示します。
- 矢印が下向き: 火力を下げる、または温度上昇を抑える必要があることを示します。
-
補助線・ヒートマップ表示:
焙煎インジケーターは矢印の他に、現在温度地点からプロファイル上の目標点へ向かう補助線(破線)や、温度乖離の大きさに応じたヒートマップ円も表示されます。これにより、「どの方向に調整すればよいか」「どれくらい目標から外れているか」が視覚的かつ直感的に判断可能です。
- ヒートマップが赤: 現在温度がプロファイル温度に比べて高いため、温度を下げる必要があります。
- ヒートマップが青: 現在温度がプロファイル温度に比べて低いため、温度を上げる必要があります。
- ヒートマップが緑: 現在温度とプロファイル温度がほぼ同じであり、目標通りに推移していることを示します。
🌏 カスタムウェブサーバー機能
☕ UZU ROASTERを使った「キャプティブポータル広告宣伝システム」の概要
このシステムは、内蔵CPUであるESP32のWi-Fi機能を活用し、特定の場所でユーザーに自動的に広告や情報を提供します。
1. システムの主要な構成要素
■ ESP32 マイクロコントローラー:
Wi-Fiアクセスポイント (AP) モードで動作し、独自のWi-Fiネットワークを作成します。
Webサーバー機能も内蔵し、簡易的なウェブページをホストします。
■ キャプティブポータル機能:
ユーザーがESP32が作成したWi-Fiに接続すると、インターネットにアクセスする前に強制的に特定のウェブページ(広告ページ)が表示される仕組みです。
■ 広告コンテンツ(HTML/CSS/JavaScript):
ESP32のWebサーバー上に置かれる、ユーザーに表示したい広告や情報の内容です。画像、テキスト、動画などを含めることができます。
2. システムの動作フロー
■ ESP32の起動:
ESP32が起動し、Wi-Fiアクセスポイントとして稼働します(デフォルト例: Wi-Fi名「UZU-ROASTER」、パスワード「00000000」)。
■ ユーザーの接続:
ユーザーがスマートフォンやPCで、このESP32のWi-Fiネットワークに接続します。
■ キャプティブポータルの検知:
ユーザーのデバイスは、インターネットに接続されていないことを検知し、自動的にWebブラウザを起動してキャプティブポータルのページ(ESP32のWebサーバーがホストしているページ)を表示しようとします。
■ 広告の表示:
ユーザーのブラウザに、ESP32のWebサーバーに保存されている広告宣伝用のHTMLページが表示されます。このページにQRコードを含めることで、ユーザーがスマートフォン等で簡単に情報を取得できるようになります。
■ 情報提供/インターネット接続(オプション):
広告表示後、さらに情報提供を行ったり、ボタンをクリックすることで外部のインターネットへの接続を許可したりすることも可能です(ただし、ESP32自体がインターネット接続機能を持つ場合は、より複雑な設定が必要です)。
3. 想定される利用シーン
この機能を使用することで、以下のようなシーンでの利用が考えられます。
■ 小規模なイベントや店舗:
一時的なイベント会場や小さな店舗で、特定の製品やサービス、イベント情報を宣伝。
■ 観光案内:
特定の観光スポットで、地域の情報やおすすめルートを提供。
■ 個人での情報発信:
4. 技術的な課題と考慮事項
■ ESP32のメモリ制限:
ROM容量は4.5MBです。大量の画像や動画を含む複雑なWebページは、ESP32の限られたメモリには収まらない可能性があります。
■ 同時接続数:
■ 法的規制:
公衆Wi-Fiを提供する場合は、地域によってはセキュリティやログ保存に関する法的規制がある場合があります。
📁 Web画面(LittleFS)の構成と更新
UZU ROASTERのWeb画面は、ESP32内のファイルシステム「LittleFS」に配置されたHTML/CSS/JSファイルで構成されています。
Web画面の更新方法:
ご自身でWeb画面の内容を更新したい場合は、Arduino IDEの「データフォルダをアップロード」機能をご利用ください。
💡 トラブルシューティング(困ったときは)
問題 |
対処法 |
Web画面が表示されない |
・Wi-FiがUZU-ROASTERに接続されているか確認し、ブラウザで http://192.168.4.1 に直接アクセスしてみてください。
・少し時間をおいてブラウザを更新するか、違うブラウザでお試しください。 |
温度が「nan」や「0.0」と表示される |
K型熱電対の接続が抜けていないか、プラス・マイナスが正しいか、破損していないか確認してください。 |
設定をすべて初期化したい |
Web/USBシリアルから reset all コマンドを送信してください。UZU ROASTERが再起動し、設定が初期化されます。 |
Wi-Fi接続後にUZU ROASTERを見失った場合 |
・USBシリアルモニタでUZU ROASTERの現在のIPアドレスを確認してみてください。(デフォルトは192.168.4.1です) ・もう一度WiFiを切断⇒接続してキャプティブポータル機能をお試しください。 |
📋 製品仕様
UZU ROASTER ハードウェア仕様
項目 |
仕様 |
制御システム |
ESP32マイコン(動作周波数:80MHz ROM:4.5MB RAM:520KB) |
温度センサー |
高精度デジタル温度センサー(MAX31855) |
温度範囲 |
0~1200℃(K型熱電対の対応範囲に準拠) |
Wi-Fi機能 |
IEEE 802.11 b/g/n対応 |
Bluetooth機能 |
N/A |
電源 |
USB Type-C(5V/500mA) |
推奨焙煎容量 | 50~500g(豆の種類やロースターの特性により異なる) |
外形寸法 |
W82mm × D37mm × H13mm |
重量 |
約30g |
📞 お問い合わせ
うずうず本舗(うずうず珈琲焙煎工房)では、UZU ROASTERの開発やサポートに関するお問い合わせを受け付けています。以下の方法でご連絡ください。
ご質問やフィードバック、バグ報告など、お気軽にお問い合わせください。
🎁付録
💬 Web/USBシリアルコマンド一覧
WebSerialまたはUSBシリアル通信経由で、UZU ROASTERに対して以下のコマンドを送信し、設定変更や操作を行うことが可能です。
コマンド |
内容 |
temp on |
温度表示をONにします。 |
temp off |
温度表示をOFFにします。 |
interval 1000 |
温度データの取得間隔をミリ秒1000ms(1秒)に設定します。(数値は変更可能) |
reset |
各種設定を初期化し、UZU ROASTER (ESP32) を再起動します。 |
reset all |
全設定を工場出荷時の状態に初期化し、ESP32を再起動します。 |
wifi on/off |
Wi-Fi機能をONまたはOFFに切り替えます。 |
ssid |
現在のWi-Fi SSIDを表示します。 |
password |
現在のWi-Fiパスワードを無効化して再起動します。 |
ssid 新SSID名 |
Wi-FiのSSIDを変更して再起動します。 |
password 新パスワード |
Wi-Fiのパスワードを変更して再起動します。 |
help |
使用可能なコマンドを表示します。 |
📈 温度センサーと表示の仕様
- センサー: Adafruit MAX31855 使用(K型熱電対対応)
- 平均化処理: 移動平均(10点、最大最小2点ずつ除外)により、安定した温度値を提供します。
- 表示桁数: 小数第1位まで表示されます。(設定変更可能)
- 更新間隔: USBシリアルのデフォルトは500ms(0.5秒)です。Web/USBシリアルコマンドで変更可能です。
WiFi経由(うずロースターコントローラー)は1秒更新です。
- RoR演算: 20秒の移動平均演算でフィルタリングしています。
🗃️ ファームウェアアップデート
UZU ROASTERのファームウェアは、Arduino IDEを使用して簡単にアップデートできます。
(※注意: ファームウェアアップデートは、USBシリアル接続を使用して行います。Wi-Fi接続ではアップデートできません)
以下の手順で、ESP32側のファームウェア(UZU ROASTER)とブラウザ側のWeb画面(うずロースターコントローラー)をアップデート可能です。
(※)ファームウェアアップデートは基本的にサポートを行っておりません。実施する時は慎重に行ってください。
ESP32側のファームウェアアップデート方法
- ホストPCにArduino IDE最新版をダウンロードしてインストールします。(Arduino公式サイト)
- UZU ROASTERの最新版ソースコード(*.inoファイル)はGitHubからダウンロードします。
- *.inoファイルを適宜コンパイルし、ファームウェアをダウンロードします。
【コンパイル済みバイナリ指定のアップデート例(Windows)】
コマンドラインから次のコマンドを実行します。
C:\path_to_arduino\packages\esp32\tools\esptool_py\4.9.dev3/esptool.exe" --chip esp32 --port "COM4" --baud 921600 --before default_reset --after hard_reset write_flash -z --flash_mode keep --flash_freq keep --flash_size keep 0x1000 "C:path_to_arduino_sketch/Artisan_sample.ino.bootloader.bin" 0x8000 "C:path_to_arduino_sketch/Artisan_sample.ino.partitions.bin" 0xe000 "C:path_to_arduino\Arduino15\packages\esp32\hardware\esp32\3.2.0/tools/partitions/boot_app0.bin" 0x10000 "C:path_to_arduino_project/Artisan_sample.ino.bin"
- 環境によってパスは変動します。
- Arduino IDEがインストールされていればesptool.exeは既にインストールされています。
- 各バイナリファイルはGitHubからダウンロードしてください。
ブラウザ側(うずロースターコントローラー)のアップデート方法
- GitHubから
index.html
、chart.js
、script.js
をダウンロードします。
- Arduino IDEからWeb画面(LittleFS)の構成と更新を参照し、LittleFSに
index.html
、chart.js
、script.js
をダウンロードします。
(LittleFSにダウンロードしなくても、ホストPCでindex.htmlファイルをブラウザに表示することでうずロースターコントローラーが利用可能です)
🌐 WebSerial(ブラウザ焙煎ビューアー)接続マニュアル【応用編】
💡 WebSerialとは?
WebSerialは、Google ChromeやEdgeなどのWebSerial対応ブラウザから、ESP32などのUSB接続されたシリアルデバイスに直接アクセスできる技術です。これにより、PCに専用のアプリケーションやドライバーをインストールすることなく、ブラウザだけでシリアル通信が可能になります。
🧪 必要な環境
項目 |
内容 |
ブラウザ |
Google Chrome / Edge(最新のWebSerial対応版) |
接続方式 |
PCとUZU ROASTERをUSB Type-Cケーブルで接続 |
ESP32側処理 |
Serial.print() で温度を定期送信(例: 25.3\n のように改行付き) |
アクセスURL |
http://192.168.4.1/webserial |
(※)Web/USBシリアル通信のCOMポートは排他的ですので、WebSerial機能を使用している際、USBシリアル通信が使えません。(逆のパターンでも同様です)
🧪 開発ロードマップ
- Version 2.0: 3Dプリンターとの連携による焙煎コントロール機能
- Version 3.0: 小型焙煎機への組み込みによる高度な温度コントロール機能
- Version 4.0: ロボットアームとの連携による自動焙煎コントロール機能